見積書 「一式」表記はダメ!
事業には 見積書 と 工事 が必要
施工業者さんから受け取った 見積書
「一式」
とか書かれていませんか?
施設や店舗を利用する事業においては
修繕や設備更新といった工事が必ず発生してしまいます。
- エアコンなどの空調設備
- 給排水配管
- トイレなどの衛生器具
- 厨房設備
- 内装や照明設備
- 消防設備
- 屋根や屋上の防水
- 躯体や外壁の改修 など
持続的な事業活動に必須のこれらの改修費用
少しでも負担を減らすためには工事を上手に活用したいですね。
ですが「一式」表記されたその見積書、
少々問題があります。
見積書 にある「一式」の表記
見積書の書き方に法律はありません。
(正確には少し存在します)
工事価格とは そもそもサービス提供の対価ですから、
その施工業者それぞれで設定することに問題はありません。
工事を発注する側も
工事の中身を詳しく記載されていてもよく分からないので
「とりあえず直るなら…」
「とりあえず安そうなら…」
となり、発注することとなります。
ですから、
工事の見積書には「〇〇費 一式」とよく書かれます。
一式 の表記、実は「信用の世界」なのですね。
一式表記では比較ができない
ですが、
工事の内容や価格を評価するためには、
一式表記はダメです。
比較ができないためです。
これでは正直なところ、
相見積を他業者さんから用意しても
意味をなしません。
金額だけでなく内容も同じです。
例えば、
事務室にエアコンを取り付けたいとします。
2社から見積をもらって、
A社:30万円
B社:32万円
どちらの業者さんも
部屋の広さに対して十分な能力の
エアコンを選んでくれる。とのこと。
さて、
「部屋が涼しくなれば、何でもいい」
本当にそうでしょうか?
A社:聞いた事の無い海外メーカー製
保障 1年
製品の利用者満足度 2.8/5.0
B社:国産メーカー製
保障 3年
製品の利用者満足度 4.7/5.0
いかがでしょう?
それでもA社でも構わないですか?
では…
エアコン機器の詳細は記載されていたとして
「電気工事項目 一式」
と記載されている見積書はいかがでしょうか。
A社:エアコンの電源は他のコンセントから分岐。
B社:エアコンのために、ブレーカーから単独の配線を
引く工事を額内に含んでいる。
分かりにくいかもしれませんが、
A社の工事の場合、
たとえばエアコンをつけながら電子レンジを利用すると
ブレーカーが落ちるかもしれません。
ここまで知ると、B社を選定しませんか?
「一式」の中身をちゃんと見る
こういったことも
電気工事で使う部材名や配線の長さの記載があれば
本来 見積書を見ただけで分かるわけです。
工事見積をいただいた際、
「一式」と表記されていたら、
「内訳書」くださいと聞いてみましょう。
(…業界の人か?)
と思われるだけでも施工業者の緊張感が高まります。
中には
「うちは全て一式表記しか出しません」
と言う業者さんもいます。
作成の手間を省いて、還元しているならまだしも
- 公表したくない何かがある。
- 営業担当は工事の素人
であることも多く、
当事務所としてはあまりお勧めしません。
そして、
見積書の詳細(内訳)を2社以上で見比べてみる!
これだけでも妥当な内容・金額に大きく近づきます。
分からないワードもあるかもしれません。
ですが、2社で大きな金額差が生じているところだけは、
注意してみてください。
当事務所の査定においては、
・他施設の工事実績データとの比較
・業界の部材仕入れ額の水準
・施工会社の規模(ゼネコンか工務店かなど)による水準
などから、金額においては精査します。
また、エアコンなどの空調工事の場合、
・室外機の設置位置や環境
・他の室内設備(換気や防災の設備など)との位置関係
・室内間取り
などまで考慮することで
工事後の不具合の予防やエアコン本体の寿命も変わってきます。
《ホワイトオウルの工事精査についてはコチラ》
改修工事は不可欠な項目です。
少しでも有益な工事とするため、
価格,内容の妥当性を模索する手がかりとして「一式はダメ」ご参考ください。
ブログの著者
-
【健全で持続的な 施設,店舗の活用を支援】
・110社5600件以上の工事精査実績
・40以上の施設管理マネジメント
設備監査事務ホワイトオウルでは、
工事精査部門を持たない事業者様、工事経験の知見が少ない店舗様に向けた、施設管理や工事発注についての無料相談窓口を設けております。
お気軽にご活用ください。
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ホワイトオウルでは、修繕や改修などの工事(設備更新)に向けて、施工内容や価格の査定を実施、より工事を発注しやすいものとするための支援をしております。費用は実質無料です。査定や交渉にて工事価格が改善された場合のみ、削減額の一部を出動費としてご請求となります。工事に費用的メリットが発生しなかった場合の請求はございません。
▼過去実績の手数料額▼
対象の工事規模や内容によって異なりますが、削減額の10~30%を手数料とさせていただいております。
◇ 見積価格1000万円・査定による減額97万円の工事:《出動費170,000円》
◇ 見積価格13万円 ・査定による減額2.1万円の工事:《出動費2,700円》